trend GovBase編集部

IT調達案件が急増中:自治体DX予算の恩恵を受ける方法

「自治体のIT案件に参入したいが、どこから情報を得ればいいか分からない」――そんなIT企業・SaaS企業の声をよく聞きます。

実は今、全国の自治体でDX(デジタル・トランスフォーメーション)関連の予算が急増しています。自治体のシステム標準化、マイナンバーカード活用、行政手続きのオンライン化など、IT調達案件は過去に例がないほどの規模で発注されています。

この記事では、急増する自治体IT調達案件の動向と、IT企業が参入するための具体的な方法を解説します。

自治体DX推進の背景

2021年に策定された「自治体DX推進計画」を起点に、全国の自治体はデジタル化を急ピッチで進めています。2026年度時点で特に大きな動きとなっているのが以下の施策です:

  • 自治体システム標準化 … 基幹業務システムを全国統一仕様に移行(2025年度末が目標だったが、多くの自治体で延期中)
  • ガバメントクラウド … 国が提供するクラウド基盤への移行
  • 行政手続きのオンライン化 … 各種申請・届出の電子化
  • AI・RPA活用 … 業務効率化のためのツール導入
  • セキュリティ強化 … ゼロトラスト対応、セキュリティ監査

これらの施策に伴い、IT調達の予算は全国で数千億円規模に達しています。

急増しているIT調達案件の種類

具体的にどんな案件が増えているのか、主要なカテゴリを整理します。

システム開発・移行

  • 基幹系システムの標準仕様への移行開発
  • 既存システムのクラウドリフト(オンプレミスからクラウドへ)
  • 住民向けポータルサイトの構築・刷新
  • 内部業務システムの開発

SaaS・クラウドサービス

  • グループウェア・コミュニケーションツールの導入
  • 電子決裁システム
  • 文書管理システム
  • AI-OCR(帳票読み取り)
  • RPA(業務自動化)ツール

コンサルティング・支援

  • DX推進計画策定支援
  • 情報セキュリティポリシー策定
  • システム調達仕様書作成支援
  • PMO(プロジェクト管理支援)

インフラ・ネットワーク

  • ネットワーク機器更新
  • サーバー・ストレージ調達
  • Wi-Fi環境整備
  • 情報セキュリティ機器の導入

IT調達案件に参加するための条件

IT企業が自治体の案件に参加するには、以下の準備が必要です。

入札参加資格の取得

まず、対象の自治体に対する入札参加資格を取得する必要があります。IT系の案件は主に「役務の提供」カテゴリに該当します。

  • 全省庁統一資格 … 国の機関の案件向け(「役務の提供等」で申請)
  • 各自治体の入札参加資格 … ターゲットとする自治体ごとに個別申請

実績の蓄積

多くのIT調達案件では、過去の実績が評価されます。特に総合評価落札方式の場合、類似案件の実績が加点要素になります。

  • 小規模な案件から着実に実績を積む
  • 同業種・同規模の案件実績を記録しておく
  • 民間での実績も、類似性があればアピール材料になる

認証・資格

以下の認証を持っていると、参加要件を満たせる案件が増え、評価でも有利になります:

  • ISO 27001(ISMS) … 情報セキュリティマネジメントシステム
  • プライバシーマーク … 個人情報保護
  • ISO 9001 … 品質マネジメントシステム
  • 各種ベンダー認定 … クラウドベンダーのパートナー認定等

狙い目の発注機関・時期

発注が多い機関

  • デジタル庁 … 国のDX関連施策の中心
  • 総務省 … 自治体システム標準化の所管
  • 都道府県のデジタル推進部門 … 県内市町村への支援事業も含む
  • 政令指定都市 … 大規模なIT投資
  • 人口10万〜30万の中核市 … DX予算が増加中

狙い目の時期

  • 4〜6月 … 新年度予算の執行開始。仕様書公開が集中する
  • 9〜11月 … 来年度事業の入札が始まる(特に大型案件)
  • 1〜2月 … 補正予算による追加案件

予算規模感

  • 小規模(100万〜1000万円) … Web制作、ツール導入、調査業務
  • 中規模(1000万〜5000万円) … システム構築、コンサル
  • 大規模(5000万〜数億円) … 基幹システム移行、大規模ネットワーク構築

中小IT企業は、まず小〜中規模の案件で実績を作り、徐々に規模を上げていく戦略が有効です。

まとめ

自治体のIT調達案件は、DX推進の追い風を受けて今後も増加が見込まれます。IT企業にとっては大きなビジネスチャンスですが、参入には入札参加資格の取得や実績の蓄積が必要です。

まずは自社の強みに合った案件を見つけることから始めましょう。GovBaseでは全国の自治体が発注するIT関連案件を毎日収集しており、「システム開発」「クラウド」「DX」などのキーワードで横断検索できます。IT調達市場への参入を検討している方は、ぜひご活用ください。